万年筆のキャラを理解する | struo-stationery

万年筆はそれぞれキャラがあるため、個人的には筆記具以上の存在に感じます。例えばいつも飲むお酒の銘柄や吸っているタバコの銘柄の様に、その人を表す一つの情報になりえる日常的な道具だと思うのです。

友人と話していると、ペンケースを使う人と万年筆を使う人には隔たりがあることに気付かされます。そこを橋渡しするのが自分の役目かなと。あまり興味がないと、単純に高い筆記具という印象がある様です。自分も最初はそうでしたから、理解できます。関係ないですが、先日のG7広島サミットのお土産にセーラーの彩雅という万年筆があった事がちょっと興味深かったです。

私が最初に買ったのはパイロット・カスタム74。確か2015年頃です。万年筆の価値がわからないまま使っていて、それに合わせて1本用ネックストラップ仕様のファーストモデルを作りました。出展していた売り場が万年筆の売り場が多かったので、その場所に適応する目的でした。同時期にショップの方にパイロットのエリートも勧めてもらった記憶があります。

万年筆は手元に持っているか、持っていないかというのが重要なジャンル。端的に金の使われたニブ(いわゆる金ペン)が新鮮だったですね。後に鉄ペンの良さにも触れるのですが、徐々にライティング・ジュエリーというワードに引き込まれていきました。多様なメーカーの名作万年筆の世界が少しずつ理解出来るようになってくると、段々とキャラの様に思えてくる。一つ言えることは、いかにケース屋だったとしても理解できないもの、惹かれないものは買わないってことですね。

徐々に書くことがレア化していきそうな昨今ですが、書くことで自分の意志を確認し、現実と自分の活動を繋ぎとめるための道具として万年筆への愛着は増していきます。自分が作るケースを通じて、色々提案していきたいですね。