細分化して座標をつくる | Struo-stationery

差しペンケースにおいて、MSサイズ(14mm)、SMサイズ(13mm)、SMSサイズ(12mm)をさらに"長さ"で細分化させます。ここまで分類したのも骨の折れる作業でしたが、"長さ"に着目すると、やはりケースの扱いが同じというわけにはいきません。仮にlong、middle、semi-middle、short、very-shortで、語尾にcategoryをつけて識別するようにします。それぞれの要素に収まる筆記具の顔ぶれを確認すると、筆記具を購入する際の参考情報になるでしょう。Struo-stationeryの目的の一つにペン・万年筆の座標をつくり、ケースをもたらす事が挙げられます。

Struo-stationeryにはオンラインショップとしての設計思想があるので、1本用を考えると分かり易いですが、ここまでやらないとやり切る事にはならないのです。

また、「モンブラン」は筆記具としてはトップ・オブ・トップで敬意をもっていますが、struo差しペンケース(蓋付き)のあからさまな模倣は看過できないですね。言うなれば、表層を真似し、ペンサイズの違いを無視し、ケースを適当に押し付けているかの様です。ですが、「モンブラン」には他社の各モデルとの関係性を整理し、パイロット・カスタムURUSHIからカヴェコ・スポーツに至るまで同質のケース意匠で網羅するような事は出来ません。

ただ、Struo-stationeryが検索キーワードとしての"モンブラン"を使っている事実もあるので、個人的には責め切れないという心情はありますが。"強いデザインには特有の引力がある"(by川久保玲氏)ということでしょう。struoの差しペンケースの造りは、コロナ渦で配達を兼業した期間を含む4年もの間、引き出しの中で発酵させた意匠ですから。

万年筆ケースというカテゴリでは、基本要素の分類が進んでいないという問題を抱えています。だから、例えばモンブラン149とモンブラン・モーツァルトが同じケースに収まるような錯覚を生む状況が放置されているのです。つまり、これとこれは共存や交換が可能だけど、ここから先は共存や交換が出来ないというようなトポロジー的な視点が欠けていると言えます。