ショコラトレーの全貌 | Struo-stationery
ショコラトレーは全14サイズになります。左右に手をかけやすい形状は、触知的であり、このトレーのユニークな特徴。シンプルで金具の使用もありません。"置いて使う"こと、"キャッシュを溢さず受ける"、"ラインだけで魅せる"ことが念頭にあって出来た形状です。他に何かあるとすれば、"金具は使わない"、"複数枚で重ねて使える"、"サイズ違いでも重なる"ですね。
キャッシュトレイとして一枚革で出来たのはかなり前ですが(2018年ぐらい?)、2020年頃、裏にジャパンピッグを貼り合わせることで縫製の量を増やし、適度にどっしりとした感覚になる改良を入れ、Struo-stationeryで再登板。この時からはペントレーを意識してサイズを若干増やしました。(※重量が重い訳ではありません。むしろ軽め。)
その後、長らく国産レザータイプ・キャメルだけという扱いで、このサイトに鎮座しながら、ご注文頂くこともございました。その後、注文を受けている間に中央にパッドを落とすことがアイデアとして浮かんできたので、そこも変更しました。
時間が経つほどに、このトレーの良いところはどこだろう?という思考が深まり、なぜ他で似たような形状を見ないのか疑問になりました。あとから形態が発するメッセージを読み解くと、段々と作った当時の思考が蘇ってきます。明確な差異.......ひとつには自然に行為が引き出されることは意識していたということ。そう、アフォーダンスですね。
ふたつめには、平面上では所々直線なのに、立体になると柔らかな曲線のラインが目を引くということ。具体的に言うと、前後と左右の高さが異なります。眺める角度によって、"稜線"の具合が変わるので"360度が見せ場"(というコピーが出てきました)。これは平面上では分からないもので、四つ角が立ち上がる(縫製する)ことで生じます。
「稜線(りょうせん)」ってコトバは、「山の尾根」に使われますが、デッサン領域だと、"モノの面の境界線"や、"面が変化する変わり目"のこと。モチーフに立体感とリアリティを与える"際の線"と言えます。例を挙げると、パタゴニアやマンハッタン・ポーテージのブランドタグで山々やビル群の並びを線で表現してますよね?あれが稜線です。
一個で独立して完結する製品ではなく、同型のトレーやサイズ違いのトレーと組みあわせて使える拡張性も意識した部分。金具が出てこないのも、重ねて使う上では理に適っていると思います。
イメージ的な部分で言えば、ケータリングの食事の際のお皿。ビュッフェ形式の立食時の取り皿の様なイメージ。実際に載せるものは料理ではありませんが。持った時に手にフィットする感覚はイメージしてました。左右が少し高くなっているので、中央にモノが収まり"こぼれない"という感覚も芽生えます。
また、ショコラトレーを展開する理由の一つに「開店祝い」っていうイベントを取り込みたい思いがあります。誕生のきっかけも同じ動機でしたから。
一番分かりやすい目的はキャッシュトレーだと思いますが、机にセットすれば鍵とかスマホ(携帯)、時計などを置く分かりやすい小物トレーにもなります。自分の空間を作るためのアイテム。万年筆・ペンが好きなら、ペントレーとして考えても良いですね。丁度良いサイズはケースバイケースだと思うので、サイズは豊富に揃えました。