革物デザイナーの互換性 | Struo-stationery

革物のデザインは机上の設計だけでは上手くいかない。粘りの要素が全体に与える影響が大きい。手の感覚や経験値だったり、実用性のヴィジョンやお客様からのフィードバックだったり。適切に情報を取り入れているか。視覚・聴覚・圧覚・嗅覚からの情報も必要だ。

デザインありきで革素材をあてはめたり、オプションで革を使ったりするプロダクトとは違う。いわゆるプロダクトデザイナーが作る革物は"粘りの要素"がない。長く同じものを作って売ったり、お客様からのフィードバックを得て改善に繋げてループさせる様な体制がなければ当然の事。そういう意味で革物デザイナーには互換性がない。逆に問題なのは、設計図面がなくても革物はある程度作れてしまうこと。手仕事でも良くないものは情報量が少ない。
改造はフィードバックによって行う事が多い。テストしたり、データ活用したり、気になるポイントを再考したり。能動的だし、単純に受け身ではない。死角にある問題を事前に全て取り除くのは無理だからこそ、最初から特定の状況に最適化しすぎるような"オーバーフィッティング"はしない。
革物礼賛の様だけど、とにかく情報を扱う能力が大事だと思う。