ピ ッグスキン | Struo-stationery
ここ最近「ピッグシルキー」というピッグ革の恩恵を感じている。
- 全体は薄く柔らかい
- 原皮(国産)・鞣しが日本のタンナー
- 裏面の毛足が短く揃えられて、毛が落ちないスエード状
- 表裏どちらも"表面"として使える
- 銀面はエイジングする。艶が増す。
- 銀面は傷が付きづらい上に、引裂強度に優れる
- 適度なコシと特有の強さがある。
- タンニン鞣し革の裏に貼り合わせると高級感が増す。
- 内側で大判ポケットにしてもさほど重量を生まない。
- コバ面の処理は一体感をもって磨ける。
機能性と軽量性、高級感を付加するって意味で、これよりマルチタスクをこなす黒子はいないと思う。お客様の方からはあまり意識されないかもしれない。ただし、ピッグシルキー単体では商品として成立しづらい。単体でも物は作れるけど、他の革や生地と組み合わせて付加価値を作る革ってイメージ。どちらも試したから言える。
- 元の状態が薄い(0.5~0.7mm)
- ハーフトーンの色の再現性が高い
- 無臭に近い
- 漉きがいらない
考えてみればみるほど、溶け込む材料が揃っている。特性を言語的に意識するかどうかで価値が変わる。情報量が凄い。
弱点と言えば、
- 銀面に糊がつくと落ちない
- 生体傷の多い個体の場合がある。呼称はOK傷
- 単体ではカジュアルな印象
- 質の安定した部位が限定的
東レのエクセーヌの様な人口皮革との比較も面白いが、個人的に商品ラインナップがある前提ならピッグシルキーの方が効率的だと思う。
STRUOは商品の重量をコントロールしてきた歴史があって、それこそ初期はいかに"重い"という言葉を受けずにいられるかという試行錯誤の連続でした。また、多機能まではいかない機能性が今の体系に繋がっています。針と糸も変わるし、糊をよく使います。ピッグシルキーの存在がラインナップを生かすための解決方法で、文脈を保証する触媒でした。革のトレンドは周期的に変わるけど、ピッグシルキーは流行が関係ないのがいいと言えます。