学生向け・大容量の革ペンケース・ドローイング・グラファー再び | STRUO

ドログラペンケースは、実に10年以上作り続けたロングセラーモデルです。この度、標準タイプからより進化させて2023年にふさわしい仕様にカスタムしてリリースします。2年ぐらい前にはその改良案は浮かんでいたのですが、細かな問題があり、少しずつ解決して結晶になりました。

私には装備品の設計を行った過去があり、仕様書を起こし、数値を扱う能力を色濃く製品に反映させたいと思っていました。それが2ケ所の金具の意匠に繋がっています。
STRUOには"学生向けの大容量ペンケース"が欠かせないモデルであり、ニーズが一段落したらフェイドしていくのは違うと思ったのです。そもそもこの商品は成り立ちからして再現性のない特異な存在です。自分で仕様書を書き、その要件を満たすように作ったので、各要素が必然的に同居しています。ブランド初期に屋外で対面販売していなければ手元にはなかったでしょう。

このペンケースの仕様を細部まで徹底的にこだわり、アップデートして、同じモデルをもう一度選んで頂きたい。小学生、中学生、高校生、大学生が今後も何となく記憶しているモデルにしたいと思っています。毎回違う形を買って試すというのも良いですが、実際に使用して使いやすいと分かっているモデルを、もう一度別の用途・タイミングで購入するということがあって良いのではないかと思うのです。車で言うなら、MAZDAのロードスター、SUZUKIのジムニーなど、形そのものが長い間愛され、ライフスタイルに溶け込む様な存在が理想です。購入した時だけではなく、時間の中で何度も再評価されるというのがロングセラーの条件だと思います。

個人的な見解では、このペンケースは学生とその親御さまが育てました。ドローイング・グラファーという架空の職業を持つのは学生であり、素朴なコンセプトが伝わっていったのではないかと思っています。今回、よりブランドとしての色合いを強めた仕様になりました。

ファスナーの引手は本当にこだわって何度か修正しましたが、難産ではありませんでした。機が熟している時は前に進む力が自然に湧いてくるものです。普段は簡単に決まらないのに、あっけなく決まっていく。そんな不思議な力を持つパーツです。このパーツの力で、背筋が伸び、また別の補強を思いつくといった好循環が起き、標準タイプはリニューアルしました。